映画『ラ・ラ・ランド』(2016年)
思ったこと感じたことをつらつらと書きます。ネタバレなし。
原題:La La Land
監督:デミアン・チャゼル(Damien Chazelle)
脚本:デミアン・チャゼル(Damien Chazelle)
音楽:ジャスティン・ハーウィッツ(Justin Hurwitz)
主演:ライアン・ゴズリング(Ryan Gosling)
エマ・ストーン(Emma Stone)
製作:2016年 アメリカ合衆国
公開:2016年 アメリカ合衆国,2017年 日本
時間:128分
ざっくり見どころ
ミュージカル・ロマンティック・コメディ映画。舞台はロサンゼルス。自分の店を持ちたいジャズピアニストのセバスチャン(ライアン・ゴズリング)と、女優になりたいカフェ店員のミア(エマ・ストーン)が恋に落ちるのですが、お互いの夢を叶えようともがく2人の恋はだんだん難しくなっていきます。『ラブ・アゲイン』(2011年)でも共演していたこの2人が、劇中とにかく儚く美しかった。冒頭、渋滞するハイウェイで大勢が歌い踊るパフォーマンスが一番の見どころかもしれません。
音楽はもちろん、ロサンゼルスの街並みや、50着ずつ用意された2人の衣装など、楽しめる要素はたくさんあります。そして、作品のいたるところに散りばめられた、クラシック映画へのオマージュ要素が映画ファンにはたまりません。”こんなオマージュ要素を見つけた”という報告がネット上ではたくさん見られます。わかる人にはわかるニクい映画なのです。
ハリウッドのミュージカル映画
前作『セッション』(2014年)で名を馳せたデミアン・チャゼルは、ドラマーでありクラシカルなミュージカル映画の熱狂的ファンでもあります。『ラ・ラ・ランド』は、1950年代以前のハリウッドのミュージカル映画のような、純粋にパフォーマンスを楽しむタイプの映画かもしれません。チャゼル監督のジャズに対する想いは別にして、社会的メッセージは感じられません。近年の作品では必ずと言っていいほど登場するマイノリティのキャラクターもいません。だからと言って、ハリウッドにおける白人の優位性、男性の優位性が強調されているわけでもありません。
この作品を観た友人の中で、「ちょっとつまらなかった」「期待していたものとは違った」といった声もありましたが、『ウエスト・サイド物語』(1961年)以降のストーリー重視のミュージカル映画、特に2000年代以降のブロードウェイ・ミュージカルの実写映画のような、脚本がしっかりと作りこまれたミュージカル映画が好きな人は、どこか物足りなさを感じるのかもしれません。
受賞・評価
アカデミー監督賞をはじめ多数の部門で受賞しました。製作費は3000万ドルと2000代以降のミュージカル映画としては低予算ですが、興行収入は全世界で3億7000万ドルと大ヒットでした。トム・ハンクスや新海誠なども称賛のコメントをしています。
第74回ゴールデン・グローブ賞
ノミネート7部門,受賞7部門
第70回英国アカデミー賞
ノミネート11部門,受賞6部門
第89回アカデミー賞
ノミネート13部門,受賞6部門(監督賞,主演女優賞,撮影賞,作曲賞,歌曲賞,美術賞)
*参考
『レ・ミゼラブル』(2012年)製作費6100万ドル,興行収入4億3700万ドル
『マンマ・ミーア!』(2008年)製作費5200万ドル,興行収入6億900万ドル
『ヘアスプレー』(2007年)製作費7500万ドル,興行収入2億200万ドル
『ムーラン・ルージュ』(2001年)製作費5000万ドル,興行収入1億7900万ドル
公式ウェブサイト[日本語](http://gaga.ne.jp/lalaland/)
公式ウェブサイト[英語](http://www.lalaland.movie/)