鬼束ちひろ コンサート『シンドローム』/17年分の応援と感謝
鬼束ちひろコンサートツアー2017『シンドローム』について。
Zepp DiverCity TOKYOで行われた追加公演の感想を記します。
鬼束ちひろ(以下ちーちゃん)のコンサートに行くのは、昨年7月の『TIGERLILY』(大阪 サンケイホールブリーゼ)ぶりでした。この『TIGERLILY』で“鬼束ちひろ完全復活”なんて言われましたが、最新アルバム『syndrome』を引っ提げての今回のツアー『シンドローム』では、復活どころか、さらに深みを増したちーちゃんが溢れ出ていました。
【公演スケジュール】
2017/04/13(木) CLUB CITTA‘川崎(川崎)
2017/05/01(月) Zepp Nagoya(名古屋)
2017/05/16(火) Zepp Namba(大阪)
2017/05/28(日) 仙台電力ホール(仙台)
2017/06/09(金) 福岡国際会議場メインホール(福岡)
2017/06/23(金) ミュージックタウン音市場(沖縄)
2017/07/07(金) Zepp Sapporo(札幌)
2017/07/12(水) 中野サンプラザホール(東京)
2017/07/14(金) メディキット県民文化センター演劇ホール(宮崎) ※追加公演
2017/07/18(火) Zepp DiverCity TOKYO(東京) ※追加公演
【セットリスト】
01. good bye my love
02. 碧の方舟
03. Sweet Hi-Five
04. BORDERLINE
05. 蛍
06. 陽炎
07. 流星群
08. 眩暈
09. 夏の罪
10. 帰り路をなくして
11. ラストメロディー
12. X
13. 悲しみの気球
14. シャンデリア
15. ULTIMATE FICTION
16. 弦葬曲
17. 月光
18. 火の鳥
新曲も過去の神曲も盛り盛りだったわけですが、今回は5曲だけ紹介します。
『good bye my love』
2016年11月に発売された21枚目のシングルで、前向きに愛の終わりを歌うバラード。アン・ルイスの同名曲からタイトルが取られました。ちーちゃんの歌声がいっぱいいっぱい活かされた曲で、1曲目から一気に引き込まれました。
『眩暈』
2001年2月に発売された4枚目のシングルで、別れ話を切り出せない女性の心を歌ったバラード。第43回日本レコード大賞作詩賞を受賞しています。
貴方に聞かせられるような 綺麗な言葉が見当たらない
卑屈になって叫ぶ私を 縛りつける前に 優しくなんかしないで
貴方の腕が声が背中がここに在って 私の乾いた地面を雨が打つ
逃げる事など出来ない 貴方は何処までも追って来るって
泣きたい位に分かるから 分かるから
この曲で泣いている人がたくさんいました。客席前方で号泣している女性がいたようで、歌った後にちーちゃんが「大丈夫?」と声をかけていました。優しい。
『帰り路をなくして』
2009年7月に発売された16枚目のシングルで、「仕事に、人生に疲れた人たちの応援歌」として「光と闇」を歌ったバラード。めちゃくちゃ良かった。ここで泣きました。
『シャンデリア』
2017年2月に発売された7枚目のアルバム『syndrome』の中の1曲で、Siaの『Chandelier』にインスパイアされたという美しい三拍子の曲。実は私は『Chandelier』も大好きで、1, 2, 3 1, 2, 3 drink。
『火の鳥』
同じく2017年2月に発売された7枚目のアルバム『syndrome』中の1曲で、大切な人の背を押すバラード。「みんなに捧げます」と言って最後に歌ってくれました。
億千の夜を越えて
貴方の翼になり その背を押してゆく
生きる意味など他には何も
要らないから
すべての曲の演奏が終了し、スタンディングオベーションが起こりました。ちーちゃんも泣いていました。「ここ10年ずっとツアーをするのが怖かった」って。10箇所を周るツアーの最終日で、ほっとしたのかもしれません。
東京や大阪のみのコンサートツアーや単発のコンサートは開催されていましたが、全国ツアーは2011年の『HOTEL MURDERESS OF ARIZONA ACOUSTIC SHOW』ぶりでした。2013年の『悪戯道化師』の頃とは違い、コンディションも整えられて、バラード中心でたっぷり聴かせるコンサートでした。
ずっと応援してきてよかった。
17年間ありがとう。
これからも応援していきたい。
心からそう思えたコンサートでした。